「先輩たちの実力ですよ」
俺の伝えた気持ちに対して、佐伯は笑いながらそう答えた。
それから何気ない会話をしていると目的の駅に着いた。
「ここから少し歩きますよ」
俺たちは佐伯の後をついて行った。というかついて行くことしか出来なかった。向かっている途中美味しいクレープなどが売っていたので、それを買って食べながら水族館へ向かった。駅を出て歩き始めること15分程ったころで水族館に着いた。
中に入るとちょうどよく冷えきっていた。
とりあえず、チケットが一枚足りないのでチケットを買うためにチケット売り場に並んだ。
チケット売り場は自動販売機みたいな感じのだったので俺の財布から千円と二百円を入れた。
「え、いや、私のチケット…」
俺の行動に佐伯が反応したが俺は元々払うつもりだった。
「いいからいいから」
そう言ってボタンを押してお釣りを取り、チケットを佐伯に渡した。
「随分と優しいな」
彰がからかうように俺にそう言った。
「もういいから行こうぜ」
そんな空気が嫌だったので急いで中に入りたかった。