「わかった」
とだけ言って電話を切り、言われた通りまっすぐ家に帰った。
「ただいまー」
「どこ行ってたんだ？」
俺が玄関ドアを開けてから中に入ると彰と佐伯が迎えでた。
「ちょっとね…」
と濁そうとしたが彰が、
「楓のところか？」
心臓がドクッとした。
「いや…」
「明日、お前に話したいことがある」
唐突に彰は俺の顔を真剣な顔をして見ながらそう言った。
「…話？」
佐伯が呟くようにオウム返しをした。
「とりあえず、上がれよ」
俺の家にも関わらず、彰はそう言った。
「俺の家なんだが…」
階段を上がり、自室に向かう途中母に「どこ行ってたの？」と聞かれたので「コンビニに行ってた｣と伝えた。
部屋に入ると、アルバムを開いたままの状態で俺を探してくれていたことがすぐにわかった。
「それで…俊先輩はどこに行ってたんてすか？」
佐伯はこの重たい空気の中、恐る恐る俺にそう聞いた。答える義理なんてなかったので母に伝えたことと同じことを言った。
「さっきも言ったけどコンビニだよ。」