「……そういうところですよ」
ぼそっと俺にギリギリ聞こえるくらいの声でそう言った。
「そういうとこ？」
「い、いえ！なんでもありません。とりあえず近くの学校と来週に練習試合組みましたから頑張ってください。」
「あ、そうなんだ。それ、みんなに言ったの？」
別に俺は部長でもないし副部長でもない。ただの自称点取り屋だ。そして、元々部長は彰だった。
「えー？また聞いてなかったんですか？さっきみんなの前で言いましたよ」
「あ、ごめん。」
「最近そういうの多いですよ？もっとちゃんとしてください！大会近いんですから！」
そうか…もうそんな時期か…。
「悪かったよー。これからはちゃんと聞きまーす」
そんな生半可な返事をして、体育館の中に入り、帰宅する準備をした。帰宅する準備を終えて、正門へ向かおうとした時佐伯が、
「俊先輩！今日、一緒に帰りませんか？」