雨は止むどころか、どんどん激しくなってきた。

「雨、スゴいね~」

神様は、僕の横で優雅にフルーツサンドをモフモフ食べながらボソッと呟いた。

「あのさぁ、この店って神様一人だけなの?」

「うん。基本はね。髭もじゃマスターは忙しい人だから、たまにしか店に来ない」

「ふ~ん」

初めてこの店に来た時、神様の姿を発見し、何故かホッとしたのを覚えている。明るい彼女がいるから普段は気にならないけど、なんだかこの店は、店全体が蝋燭の炎のようにひどく儚い………。

「ひゃぁ! かみなりっ」

慌てて、僕の体に抱きつく。

「ぐる…じ…ぃ……。く、首をしめるなッ!!」


◆◆◆◆◆◆◆◆【雷】◆◆◆◆◆◆◆


私は、雨女。

学校で彼を見た時、一瞬、思考が止まった。初めての感情。

これが、恋?

ある日、彼に声をかけられた。ドキドキした。そのあとすぐに激しい雷雨になった。雷雨は、夜中まで続いた。


夏休み前、玉砕覚悟で彼に告白した。

「うん。俺もお前のこと、前から気になっていたんだ」

告白は、成功した。


だけどーーーー。


どこからともなく黒い雲が押し寄せ、雨が降りだした。


ゴロゴロゴロゴロ

激しい雨。光。……と怒り。


突然、雷が目の前に落ちた。

私の前を歩いていた彼に。今も煙をプツプツ出しながら、倒れている彼を見た。雨雲は消え、綺麗な夕焼けが私だけを優しく照らしている。


私は、雨女。


天に愛された女。