「デヴアイラン!」
 と叫んだ。すると、海がいきなり盛り上がっていく。やがて、津波が辺りの海岸を洗い、同時に五キロ四方ほどの広大な四角い埋め立て地がせりあがって、現れた。
 
「うわぁ! もう何でもアリだね……」
 レオが驚いて言う。
「我のやる事、ない気がするのう……」
 レヴィアは首を振りながらつぶやいた。

「何言ってんの、これからが大変だよ! 上下水道、道路に橋に建物! やる事いっぱい!」
 シアンはうれしそうに言った。
 そして、コテージを地面に着陸させる。
 丸太でできた素朴なコテージはスーッと地面の方に下りてくると、速度を落としながら……でも最後は派手に地面とぶつかってズン! と音を立てて大きく揺れた。

 レオとオディーヌは外に駆け出す。
 茶色の地面はどこまでも真っ平に広大な平野を形作っていた。
「うわ――――!」「すごぉい!」
 二人は目をキラキラさせて辺りを見回し、両手をあげて、
「ここが僕らの国だ!」「やった――――!」
 と、叫んだ。
 まだ何もないただ広いだけの土地だったが、二人には夢のいっぱい詰まった希望の大地に見える。ここに多くの人が夢を紡ぐ希望の王国を打ち立てるのだ。
 レオもオディーヌもうれしくてうれしくて、手を繋いでピョンピョンと飛び跳ねた。

       ◇

 シアンは棒で地面にガリガリと四角を二つ描いて言った。
「はい、王様に大臣! 区画を決めてね~」
「区画?」
 レオが首をかしげると、オディーヌは、
「土地の使い方ってことよね? 住宅地とか商業地とか……」
「そうそう、島の方は工業と貿易、こっち側は農地、住宅地、商業地、公園かな?」
 シアンは棒で地面をつつきながら言う。
「なるほど、じゃあ、住宅は海沿いに……」
 レオがそう言うと、
「海沿いは風が強いからおすすめせんぞ」
 と、レヴィアが突っ込んだ。
「うーん、じゃ、公園?」
 レオがそう言いながら、ガリガリと棒で線を引いて『こうえん』と書いた。
「次は商業地かしら?」
「じゃ、この辺はお店とかだね」
 レオは商業地を書き足した。
「その周りが住宅地で、周辺は公園作って、残りは全部農地……かしら?」
 オディーヌは、首をかしげながら言う。
「良いと思うぞ。じゃあ、道を引いてごらん」
「道? うーん、どう引いたらいいんだろう……」
「貸して!」