カフェオレ三十路女が「ちょっくら青春してみるっ!」 とガンバったら、結構深い沼にハマってしまった件

舞台は暗闇に包まれる中、アナウンスの声が流れ出した。

「本日は我が劇団第一回公演に来ていただきまして誠にありがとうございます。今回の舞台、題名『ブラックコーヒー』。皆様、最後までごゆっくりとご鑑賞くださいませ」


沸き上がる拍手。

暗幕が上がり、舞台はパッと明るくなった。

そう……私は自分の劇団を率い、こうして第一回舞台公演の日を迎えた。

我が劇団には、私の他、伊良湖岬で出会った有森さんと内田さんも加わっての

総勢10名の小さな劇団として活動している。

劇団員は皆、人間的らしい魅力に溢れた人たちばかりだ。

野心に満ち溢れた人、この劇団をステップアップへの階段と位置づけている

人、ただ楽しくやれればそれでいい人、私のようにテレビドラマにも出たいと

思ってる人、女優もやって戯曲や演出もやりたいという人……皆それぞれだ。

私が書く戯曲は、渡部のそれとは真逆である。

一言で言えば、人生はオーディションの一幕に過ぎない……ということ。

人間は所詮、卑しい生き物。だから神としてではなく人間として日々修行する

為に生まれてきた。現実の社会はイヤなことだらけ。それはつまり人間がイヤ

な存在ということでもある。

だから人々はハッピーエンドを求める。

重要なのはお客さんがいかに現実のイヤな面からの束縛から解放され

元気になれるか、それしかないと思う。

他人は所詮、敵。

悔しいけど。

仲間だと思うと、裏切られた時に余計に傷つく。

だったら始めから敵と思えば、優しくされた時にプラスの感情が積もる。

それで人々はゆっくりと優しい気持ちになれればそれでいいじゃない。

簡単に優しさを感じられないから、逆に家族の優しさが今よりもっと大切に思

えて、家族愛を増すんじゃないかしら。家族は初めっら唯一の味方なんだも
の。