足柄サービスエリアから法定速度ギリギリの80キロで走った。
厚木インターで降り、ゆっくり家に戻ってきた頃には既に23時になろうとし
てた。
家の前に来ると、一人の女性が立っていた。
「やっ……」
父は慌てて車を家の前に停め、その女性に駆け寄る。
その人は、シルバーセンターで出会った椎名さんだった。
「あの……今日は、その、バレンタインだから……」
頬を染めながら、椎名さんは恥ずかしそうにそのチョコを父に渡した。
「まぁ、なんだ、その、どうもありがとう」
ギコチなくロボットのように受け取る父に爆笑する私がいた。
どこからともなく「ワン!」と聞き覚えのある犬の鳴き声が聞こえた。この声
は隣の平山さんちに預けたフェオの声だ。きっと私たちの声を聞いて自分だけ
仲間外れにされてひがんでるのね。
父はビートルをガレージに仕舞うと、私から父に「夜道は危ないからと椎名さ
んを家まで送ってあげて」と言った。
お互い恥ずかしそうに肩を並べて歩く二人を後ろに見ながら、なかなか悪くな
いよね、あの二人……と思う自分がそこにいた。
すると父はポケットからお守りを椎名さんに手渡した。
そうか、あれってやっぱりフェオのじゃなくて彼女の為に買ってあげたのね。
椎名さんも優しそうだし、それにわざわざこの時間までチョコを届けに待って
たなんて。隅におけないね、お父さん。
色々あった伊勢までの旅、自分の中でのターニングポイントになりそう……
そんな気がしたバレンタインの夜だった。
厚木インターで降り、ゆっくり家に戻ってきた頃には既に23時になろうとし
てた。
家の前に来ると、一人の女性が立っていた。
「やっ……」
父は慌てて車を家の前に停め、その女性に駆け寄る。
その人は、シルバーセンターで出会った椎名さんだった。
「あの……今日は、その、バレンタインだから……」
頬を染めながら、椎名さんは恥ずかしそうにそのチョコを父に渡した。
「まぁ、なんだ、その、どうもありがとう」
ギコチなくロボットのように受け取る父に爆笑する私がいた。
どこからともなく「ワン!」と聞き覚えのある犬の鳴き声が聞こえた。この声
は隣の平山さんちに預けたフェオの声だ。きっと私たちの声を聞いて自分だけ
仲間外れにされてひがんでるのね。
父はビートルをガレージに仕舞うと、私から父に「夜道は危ないからと椎名さ
んを家まで送ってあげて」と言った。
お互い恥ずかしそうに肩を並べて歩く二人を後ろに見ながら、なかなか悪くな
いよね、あの二人……と思う自分がそこにいた。
すると父はポケットからお守りを椎名さんに手渡した。
そうか、あれってやっぱりフェオのじゃなくて彼女の為に買ってあげたのね。
椎名さんも優しそうだし、それにわざわざこの時間までチョコを届けに待って
たなんて。隅におけないね、お父さん。
色々あった伊勢までの旅、自分の中でのターニングポイントになりそう……
そんな気がしたバレンタインの夜だった。
