祝詞を終え、ご神札を頂き、神楽殿から出てきた時には既に辺りには日が西に
傾きかけようとしていた。
帰り間際、父はお守りを三つ買った。
「あれ? 私とお父さんの分のお守りは分かるけれど……残りの一つは?」
「……ほら、その、フェオにさ」
なるほど。すっかり忘れてた。フェオは隣の平山さんちに預けて置いたんだっ
け。
平山さんちのポラニアンと仲良いのよね、あの子ったら。
宇治橋を渡り、伊勢参りを終えた私たちが次へ向かったのは、定番中の定番・
おかげ横町でのお買い物だ。
おかげ横町とは、伊勢名物「赤福」が、『内宮の門前町「おはらい町」の中ほ
どで、約300年間変わらず商いを続けてこれたのも、お伊勢さんの「おか
げ」』という感謝の気持を持って、作った町がおかげ横丁だった。
テーマパークとは違い、当然無料。約2600坪の敷地内には、江戸から明治にか
けての伊勢路の代表的な建築物が移築・再現され、この地方の魅力が凝縮され
ており、三重の老舗の味、名産品、歴史、風習、人情まで、一度に体感できる
町んなのだと言う。

折角だからと町をぶらついてると、名物伊勢うどんの看板が目に飛び込んでき
た。
「行く?」
「当然」
即座に父は答えた。私だけでなく父もお腹が空いてたのね。
『ふくすけ』といううどん屋に入り、伊勢うどんを頼む。
420円という安さ、味は絶品言うことなし。
しょうゆの濃いタレと太いうどん麺、汁はほとんどなく、上に少量のネギが掛
かっているだけだ。
関東の人間である私にとって、この濃いしょうゆ味はなかなかの絶品、さぬき
うどんが東京で注目されてはいるが、なかなかどうしてこちらの方が私好みだ
ったりもする。
「美味しいね。私ももう一杯注文しちゃおうかな」
と言うと、父がすかさず「名物はこれだけじゃないぞ」と不敵に笑った。
そうだ、まだもう一つ有名なのがあったわ。
私たちはうどん屋を出ると、資料館を訪ね、せっかくだからと伊勢神宮と書か
れた提灯や藍染めが美しい巾着袋、招き猫の置物などを買い最後の〆は当然お
茶屋・いせ福で、赤福に舌鼓を打った。
「美味しい、なんか日本人って感じよね」
赤福を頬張りつつ、番茶をずずずっといただく。私は生粋の日本人で良かっ
たと思えた瞬間だった。
傾きかけようとしていた。
帰り間際、父はお守りを三つ買った。
「あれ? 私とお父さんの分のお守りは分かるけれど……残りの一つは?」
「……ほら、その、フェオにさ」
なるほど。すっかり忘れてた。フェオは隣の平山さんちに預けて置いたんだっ
け。
平山さんちのポラニアンと仲良いのよね、あの子ったら。
宇治橋を渡り、伊勢参りを終えた私たちが次へ向かったのは、定番中の定番・
おかげ横町でのお買い物だ。
おかげ横町とは、伊勢名物「赤福」が、『内宮の門前町「おはらい町」の中ほ
どで、約300年間変わらず商いを続けてこれたのも、お伊勢さんの「おか
げ」』という感謝の気持を持って、作った町がおかげ横丁だった。
テーマパークとは違い、当然無料。約2600坪の敷地内には、江戸から明治にか
けての伊勢路の代表的な建築物が移築・再現され、この地方の魅力が凝縮され
ており、三重の老舗の味、名産品、歴史、風習、人情まで、一度に体感できる
町んなのだと言う。

折角だからと町をぶらついてると、名物伊勢うどんの看板が目に飛び込んでき
た。
「行く?」
「当然」
即座に父は答えた。私だけでなく父もお腹が空いてたのね。
『ふくすけ』といううどん屋に入り、伊勢うどんを頼む。
420円という安さ、味は絶品言うことなし。
しょうゆの濃いタレと太いうどん麺、汁はほとんどなく、上に少量のネギが掛
かっているだけだ。
関東の人間である私にとって、この濃いしょうゆ味はなかなかの絶品、さぬき
うどんが東京で注目されてはいるが、なかなかどうしてこちらの方が私好みだ
ったりもする。
「美味しいね。私ももう一杯注文しちゃおうかな」
と言うと、父がすかさず「名物はこれだけじゃないぞ」と不敵に笑った。
そうだ、まだもう一つ有名なのがあったわ。
私たちはうどん屋を出ると、資料館を訪ね、せっかくだからと伊勢神宮と書か
れた提灯や藍染めが美しい巾着袋、招き猫の置物などを買い最後の〆は当然お
茶屋・いせ福で、赤福に舌鼓を打った。
「美味しい、なんか日本人って感じよね」
赤福を頬張りつつ、番茶をずずずっといただく。私は生粋の日本人で良かっ
たと思えた瞬間だった。
