雲を抜けると森が広がっていた。遠くに目的地の街らしき姿もうっすらと見えてくる。
その時、ふと、不思議な形に盛り上がっている森があるのに気が付いた。明らかに自然にできたような形ではない。
俺は不思議に思い、鑑定をしてみた。
ミースン遺跡
約千年前のタンパ文明の神殿
おぉ、遺跡だ! 俺は速度を落としながら上空をクルリと回り、様子を見てみる。崩れた石造りの建物の上に大木が生い茂っている様子だった。
俺は着陸出来そうな石積みの所にゆっくりと降りて行く。
柱だったであろう崩れた石材には細かい彫刻がなされており、高い文化をうかがわせる。しかし、いたるところ巨木の根によって破壊されており、もはや廃墟となっていた。まるでアンコールワットである。
もしかしたらお宝があるかもしれないと、俺は崩れた石をポンポンと放り、巨木の根をズボズボと引きはがし、入り口を探す。しかし、ガレキをどけてもどけても一向に何も出てこない。これではラチが明かないので、頭にきて爆破することにした。俺は一旦空中に戻ると、遺跡に向けて手のひらを向け、ファイヤーボールの呪文を景気よく唱えた。
手のひらの前にグォンと巨大な火の玉が浮かび上がり、遺跡に向かって飛んで行く。久しぶりのファイヤーボールだったが、以前と様子が違う。
『あれ……? ファイヤーボールってこんなに大きかったかな?』
俺が首をかしげているとファイヤーボールは遺跡に着弾、天を焦がす激しい閃光が走り、大爆発を起こした。巨大な白い球体状の衝撃波が音速で広がり、あっという間に俺を貫く。
「ぐわぁぁ!」
自分のファイヤーボールに翻弄される間抜けな俺。
吹き飛ばされながら何とか体勢を立て直し、遺跡を見たら巨大で真っ赤なキノコ雲が立ち上っていた。
唖然とする俺……。
ファイヤーボールというのは一般にはささやかな火の玉をぶち当てるような初級魔法である。以前無人島で撃った時もせいぜい普通の爆弾レベルだった。なぜ、こんな核兵器の様な威力になっているのか……。
俺はレベル千の恐ろしさというものを身にしみて感じた。ちゃんとしないと街一つが初級魔法で吹っ飛んでしまう。
その時、ふと、不思議な形に盛り上がっている森があるのに気が付いた。明らかに自然にできたような形ではない。
俺は不思議に思い、鑑定をしてみた。
ミースン遺跡
約千年前のタンパ文明の神殿
おぉ、遺跡だ! 俺は速度を落としながら上空をクルリと回り、様子を見てみる。崩れた石造りの建物の上に大木が生い茂っている様子だった。
俺は着陸出来そうな石積みの所にゆっくりと降りて行く。
柱だったであろう崩れた石材には細かい彫刻がなされており、高い文化をうかがわせる。しかし、いたるところ巨木の根によって破壊されており、もはや廃墟となっていた。まるでアンコールワットである。
もしかしたらお宝があるかもしれないと、俺は崩れた石をポンポンと放り、巨木の根をズボズボと引きはがし、入り口を探す。しかし、ガレキをどけてもどけても一向に何も出てこない。これではラチが明かないので、頭にきて爆破することにした。俺は一旦空中に戻ると、遺跡に向けて手のひらを向け、ファイヤーボールの呪文を景気よく唱えた。
手のひらの前にグォンと巨大な火の玉が浮かび上がり、遺跡に向かって飛んで行く。久しぶりのファイヤーボールだったが、以前と様子が違う。
『あれ……? ファイヤーボールってこんなに大きかったかな?』
俺が首をかしげているとファイヤーボールは遺跡に着弾、天を焦がす激しい閃光が走り、大爆発を起こした。巨大な白い球体状の衝撃波が音速で広がり、あっという間に俺を貫く。
「ぐわぁぁ!」
自分のファイヤーボールに翻弄される間抜けな俺。
吹き飛ばされながら何とか体勢を立て直し、遺跡を見たら巨大で真っ赤なキノコ雲が立ち上っていた。
唖然とする俺……。
ファイヤーボールというのは一般にはささやかな火の玉をぶち当てるような初級魔法である。以前無人島で撃った時もせいぜい普通の爆弾レベルだった。なぜ、こんな核兵器の様な威力になっているのか……。
俺はレベル千の恐ろしさというものを身にしみて感じた。ちゃんとしないと街一つが初級魔法で吹っ飛んでしまう。