自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「あー、これは列と階と入り口からの番号ですね。十六階へ登りましょう」
「十六階……、間に合いそうにないな……」
 レヴィアがつぶやく。
「え? 時間制限があるんですか?」
「そうなんじゃ、使うサーバーは次々に変えられてしまうのじゃ」
「じゃぁ、次変わったら走りましょう」
 二人は画面をじっと見つめる。
「変わった! B05104-004、B05112-120! 走れ!」
 俺たちは全力で走った。しかし……、
「はぁはぁ、変わってしもうた、 G21034-023、G21095-113」
「二十一階は無理ですよ!」
「じゃあ休憩じゃ……、あ、A06023-075!」
「六階行きましょう!」
 俺たちは全力で走るが……、
「あぁっ! 変わってしもうた……はぁはぁ、D14183-132……」
 俺は肩で息をしながら言った。
「はぁはぁ、追いかけるのは無理そうです。張りましょう」
「張るって……どうするんじゃ?」
「サーバー変更の規則性を読むんです」
「え――――! そんなのどうやるんじゃ?」
「何かメモできるものありませんか?」
「メモ帳を使え」
 レヴィアはそう言って、端末のメモ帳アプリを起動してよこした。
 俺は変わっていくサーバーの番号を次々とメモっていった。
「こんなのランダムじゃないのかのう?」
「静かにお願いします!」
 俺は必死に法則性を追った。システムがサーバーリソースをアサインする場合、きっと何らかの制約があるはずだ。バッチリ予測は出来なくても階と列くらいは絞れて欲しい。ゲームハッカーとして(つちか)った能力を総動員し、何としてでも法則性を見出してやるのだ。

 俺はしばらく画面をにらみつづけ、ついにある事に気が付いた。たまに10回前の位置と相関のあるところに出ることがあるのだ。
 だとすると次は……近いぞ!
「レヴィア様、こっち!」
 俺はレヴィアの手を引いて走った。
「分かったのか?」
「確実ではないですが、可能性が高い所が絞れました」
「ホントかのう?」
「いいから本気で走ってください!」
 俺は必死に走った。全力で対応しないと後悔するような嫌な予感に突き動かされ、必死に足を動かした。

         ◇

 俺は予想されるサーバーラックの前までやってきた。
「はぁはぁ……。次……、この辺りかもしれません」