自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 レヴィアが慎重にハッチを開け、俺たちはジグラートの中へと進んだ。
 エアロックの自動ドアがプシューと開いて見えてきたのは、まるで満天の星空のような光景だった。暗闇の中でサーバーについているLEDのような青や赤のインジケーターの光が無数にまたたいていたのだ。
「ライト点けるぞ」
 そう言ってレヴィアが何かを操作すると、内部の照明が一斉に点き、その壮大な構造が明らかになった。
 直径五メートルくらい、高さ十メートルくらいの円柱のサーバーラックがあり、それがずらーっと並んでいる。バスを立てて並べたようなサイズ感だ。
 入り口の脇には畳サイズの集積基盤(ブレード)が積まれており、どうやらこれが円柱状のサーバーラックに多数挿さっているようだ。それぞれにハンドルが付いており、金具でロックされている。
 集積基盤(ブレード)に近づいてよく見ると、表面にはよく訳の分からない水晶のようなガラスでできた微細な構造がビッチリと実装されており、また、冷却用だと思われる冷却パイプが巧みにめぐらされていた。
「それ一枚で、お主のパソコン百万台分くらいかのう?」
「えっ!? 百万倍ですか!?」
「海王星人の技術はすごいじゃろ? じゃが、上には上があるんじゃなぁ……」
 レヴィアは遠い目をした。

 床の金属の格子(グレーチング)越しに上下を見ると、上にも下にも同じ構造が続いている。外から見た時、高さは数百メートルはあったから、このサーバーラックも数十層重なっているのだろう。通路の先も見渡す限りサーバーが並んでいる。奥行きは一キロはあったから数百個は並んでいるのではないだろうか。なるほど、星を実現するというのはとんでもない事なんだなと改めて実感する。こんな壮大なコンピューターシステムでない限り仮想現実空間を実現するなんてことは出来っこないのだ。逆に言えば、ここまでやれば星は作れてしまうことになる。
 しかし……、誰が何のためにここまでやっているのだろうか? さっきすれ違った猫顔の人が何かを企み、頑張って作っているイメージが湧かない。

「これがうちの星じゃぞ。どうじゃ? 驚いたか?」
 レヴィアはドヤ顔で言う。
「いや、もう、ビックリですよ。なるほど、これが真実だったんですね!」
 レヴィアはニヤッと笑うと、
「折角じゃから見せてやる。ついてこい」
 そう言って早足で通路を進んだ。