そう答えると彼女は素直に納得してくれたみたいだった。そして、事実確認のため少し簡単なカマをかけて見た。
「ところで刑事さんは何を借りに来たんですか?」
すると彼女は怪しまれたくないのか即答した。
「小説を読むのが趣味だから何か面白い本ないかなーって探してただけよ。だから別に借りるものとかは決めてないのよねー」
やっぱり。残念だが僕らが今いるのは『新聞・雑誌』と書かれたコーナーだ。
「でも、ここ新聞とか雑誌コーナーですけどね」
少し面白かったし、もうこれ以上話すことは無いと思い家に帰ろうと思った。
「まぁいいですよ。じゃあ僕帰りますんで」
すると彼女は僕を引き止めた。
「私も借りてくる物があるから少し待っててくれない?」
この人…同僚と来てるんじゃなかったっけ?
「え?あ、別にいいですけど。同僚と来てるんじゃないんですか?」
思ったことをそのまま伝えた。
「実は…たまたまってのは本当なんだけど、明日あなたの家を訪ねるつもりだったのよ。ここであったのも何かの縁だし、今色々聞いちゃダメかしら?」