「そういえばよ。今の佐々木理於くんってどんな人?お前の娘から聞いてるんじゃないの?」
佐々木理於君の話は確かに霞から聞いていた。それをそのまま充に話す。
「うん、聞いてる。さっきも言ってたけど両親は行方をくらませてて、高校生になってから一人暮らしして学校では普通の男子高校生って感じらしいよ。あ、でもこの前娘と2人で遊びに行ったらしいんだけど」
「何?デート?」
彼はなぜか私をからかうようにそう言ってきた。
「そこはわかんないけど、帰り際佐々木理於くんの携帯電話がなってそれに出たら顔を青ざめて娘を置いてどこかへ行っちゃったんだって」
「まじ?女の子置いてくなんて酷いやつだな」
彼はいつも通りおちゃらけていた。
「いや、論点そこじゃないでしょ?」
「あ、そうだったな。それでその電話の相手は?」
「分からなかったけどとにかく慌ててたらしい」
「それもついでに聞くか…」
充の今の言葉でどこに向かっているのかわかった。
「あ、本人って佐々木理於くんのところ?」
「正解〜」