「殺し屋ってこと?」
「そーなるな。それか単なる趣味か…」
私はその火事について知らなかった。私が刑事になったのが随分経つけど私は知らなかった。
「じゃあ、その娘を殺したのは父親って言いたいの?」
「いいや、おそらく違う」
「なにか証拠があるの?」
すると充は少し笑ってから、
「いや、俺の勘だ」
「はぁー?」
でも、こいつの勘はよく当たる。充はそういう意味でも刑事に向いてると私は思う。
「じゃあとりあえず父親について探るか」
充が珍しくやる気が出ていた。
「珍しくやる気があるのね」
「酷いやつだな!俺はいつもやる気に満ち溢れてるし、今回は特に……」
「今回は?なにか理由でもあるの?」
「いや、特に理由はないが…強いていえばあの悲惨な事件がまた起こる前に犯人を捕まえたいって所かな」
「そっか……、でこれからどうするの?」
「ん?これから?そりゃ本人に聞くしかねーよな」
「本人?」
「ああ、ほら行くぞ!」
私の言うことも聞かずにカバンをもって部屋を出た。私はそれに着いてくいくしかできなかった。
「本人ってもしかしてその父親の場所知ってるの?」
車に乗りシートベルトを締めながらそう聞くと充は、
「いや、それは知らん」
「は?じゃあどこ行くの?」
私の話は無視して充は車を走らせた。