『7月20日』
あの後、何度も聞いてみたけどおそらく気づかれて壊されてるか、外されてるか。どちらにせよ気づくのが早すぎる。まさか、仕掛けてるところを見られてたか。
「そういえばよ。この前お前が怪しいとか言ってた佐々木理於くん。その名前どこかで聞いたことあるなぁと思ったらあれだわ」
この前の悲惨な事件について調べていると同期の佐藤充がいきなり話を切り出した。
「あれ?」
「数年前にさぁ、家事で燃えた家でたまたま生き残ってた子いたじゃん?その子が佐々木理於くんだった気がする」
「そんなことよく覚えてるわね」
あの事件は確か……。
「あれは忘れたくても忘れられないよ。だって被害者の1人の首と胴体が切り離されてたんだぜ?その後に家が燃えた。そして佐々木理於くんの証言だと両親がいたらしいんだけど遺体が見つかってない……。多分生き延びてるけど、生きてたとしても表に出てこれない理由があるんだよ」
「表に出て来れない理由?」
思ったことを聞いてみると、少し驚かれてからきちんと説明してくれた。
「あれ?お前知らねーの?その家に銃やナイフ、メリケンサックとか人を殺すための道具が沢山ある部屋があったんだとよ。しかも全部使用済み。血がついてたり、欠けてたり。とりあえず使った形跡があったらしい」