そして飛び出るように家を出た。
ただひたすらに走った。
誰もいない場所に行きたかった。
走ってる途中近所のおばあちゃんに声をかけられた。
「坊や。どうしたんだい？そんなに急いで…」
「あ、いえ……」
「こっちにおいで。ジュースあげるから｣
おばあちゃんの言われるがままおばあちゃんの家に上がった。
「これ飲んで落ち着きなさい」
喉がカラカラにかわいていたから勢いよく貰ったジュースを喉に流し込んだ。
「何があったの？そんなに走って…」
僕はおばあちゃんに家族と喧嘩したと言う嘘を伝えた。
「それは…困ったねぇ。喧嘩した原因は？」
それは……僕に聞かれても困る。
「……分からないんです」
そう答えるしかなかった。
「じゃあ仲直りの秘訣を教えてあげるからそれを実行しなさいね？」
そこで謝るということを教えてくれた。
別にお父さんがいけないことをしてるとか確定した訳では無いんだ。そう思った。
一旦家に帰ろう。そう思った時、三台の消防車と一台の救急車が僕らの前を通った。
「……火事かねぇ？」
「そうかもしれないですね……。とりあえず僕、家に帰って謝ってみます。ジュースありがとうございました。」
それだけをおばあちゃんに伝えると、おばあちゃんは
「いいんだよ。またなにかあったらうちにおいでね」
優しい声でそう言ってくれた。
それから家に帰った。