義姉さんは学校でも美人だって有名で学校の友達も多かった気がする。僕が姉弟だってことを話すと羨ましがられる程だ。そんな義姉さんは僕の憧れただったし、好意を抱いていたかもしれない。そんな義姉さんの口癖は、『守ってあげるから』だった。僕が学校でいじめられた時も守ってくれたし、お父さんに怒られた時も庇ってくれたりした。でも僕の方は守ってあげることが出来なかった。
お父さんが暗殺の仕事をしていると知ったのは確か小学五年生の時だ。
「僕のお父さんは消防士なんだー!そういえば理於のお父さんってどんな仕事してるの?」
クラスの中心人物のやつが1人でいる僕をからかうようにそう言ってきた。周りのやつも「こんなやつの親ろくな仕事してねーよ」とか言っていた。少しムカついた僕はこっそりお父さんの仕事部屋を覗こうと思った。
家帰り、お父さんとお義母さんと義姉が家にいないことを確認してお父さんの仕事部屋に入った。
お父さんの仕事部屋は鍵がかかっていたが近くにあった小鉢の下に置いているのを思い出したのでそれで鍵を開けた。そしたら見てはいけないものが沢山あった。
「これって……」
そこにあったのは銃やナイフやメリケンサックなどのまさに人を殺すための道具が部屋のあちこちにあった。そこで頭によぎったのがお義母さんのあの言葉、
『人を助ける仕事をしてるのよ』
そこで僕は父と義母と義姉が怖くなった。すぐに部屋を出て鍵を閉め、小鉢の下に鍵を戻した。