とりあえず中に入れて、お茶を差し出した。
「わざわざすまないね」
「あ、いえ。別に……それで何かあったんですか?」
さっさと本題に入って署まで帰って欲しかった。
「まずは1個、個人的な質問なんだがあの靴の量はなんだ?」
「え、あれですか?僕、靴を集めるのが趣味なんですよ」
「一人暮らししてるのに随分と裕福だね」
嫌味ったらしくそう聞いてきたので僕は笑顔で、
「ええ。祖母が大量にお金を振り込んでくれるので。それで…その事件とは何ですか?」
するとその女性刑事は訳の分からない資料みたいなのを机に並べた。
「隣町であった事件なんだが。この男性に見覚えはないか?」
隣町であった事件にもかかわらずピンポイントで僕の家を押しかけてきたあたり、何故か僕のことを疑っているらしい。
「すみませんが知りません。その男性がどうかしたんですか?」
決してぼろを出す訳にはいかない。
「ああ。この男性は無惨な姿で亡くなった。」
僕はわざと動揺した。