放課後僕はまた霞を家に連れてきた。
「なんか前来た時より家具減ってない?」
少しだけ前借りたもうひとつの部屋に家具を移した。主に仕事道具を。
「あ、うん。ちょっと整理整頓して」
彼女は床に座るなり「そういえばさ」と話を切り出した。
「なんで一人暮らししてるの?親は?」
僕は彼女には僕の過去は話すつもりはサラサラなかった。あいつ…小泉明菜に話してしまったのは『同じ匂い』というのが原因なのだろうか。
「親は…分からない」
そう答えた。別に嘘はついてない。居場所が分からない。生きてるのか死んでるのかすら僕には分からなかった。
「なんか……ごめん。」
何故か謝られた。
「なんで謝るのさ。そっちこそお母さんとは仲良くしてる?」
警察官の現状報告を得るためだ。
「そういえば、最近忙しそうなんだよね。最近ここら辺物騒じゃん?だからかな?」
その原因のほとんどは僕だよ。なんて言わないけど何故か申し訳なかった。でも悪いことをしているなんて全然思ってない。法律で裁けない悪人を僕が捌いてあげてるからだ。あの事件はちょっと違うけど…。
「そっか…警察官って大変そうだね」
それからはこの前の漫画の続きを読んでいた。僕はと言うとずっとパソコンでニュースを見ていた。地元の新聞だったり日本全体の新聞だったりを片っ端から。霞は漫画をずっと読んでいるから気にする必要はなかった。