「ダメだよ〜。ちゃんと受け取って?」
そう言った時の彼女の目は僕があの時恐怖を感じた時と同じ目をしていた。
「………」
僕は無言で言われた通りそのまま100万円を受け取った。
「……何が目的だ」
僕は「黙ってあげる」というこいつの目的が知りたかった。
「何って……。特にないけど?」
特にないだと……。
「強いていえば純粋な疑問を解決するためかな〜」
純粋な疑問……。それは…この前こいつが生物の先生に質問していたことだろうか。
「……純粋な疑問?」
僕は彼女に普通に質問をした。
「人の体の作りを隅々まで知りたかった!それだけよ?」
何事もなかったように、あの出来事が夢なんじゃないかって思うくらいに何気ない返答だった。
「なんで俺の仕事について知ってる」
僕は得体の知れない彼女のことを少しでも知れるように質問した。
「たまたまかな?ずっと前から私と同じ匂いがしてたんだよね〜」
彼女は楽しそうにそう言った。
「……同じ匂い?」
彼女のその発言が怖くて聞き返すことしか出来なかった。
「うん!君と私は同じ匂いをしてる!」
再び、あの恐怖の目をして僕を見てそう言った。
「………」