『7月1日』
『今朝、森の中で1人の男性の遺体が発見されました。男性の身元は竹林信雄(30)だったことがわかりました。森の中の足跡がひとつしかなく、その足跡が信雄さんのものと一致したため自殺と断定。』
このニュースを見て、普通なら悲しいと思うけど僕はこいつが今までやってきたことを全て知っているからなんとも思わなかった。悪は裁かれるべきだ。
そんなことを考えていると携帯電話が鳴った。
「はい。もしもし佐々木です」
『あの。ありがとうございました』
泣きながら電話をしてきたのは僕に暗殺の依頼をした、昨日の夜に殺した竹林という男の妻だ。
この竹林という男は妻に暴行をしたり、娘に手を出したり、とありとあやゆるDVをしていたらしい。それからどうやって僕のことを知ったのか知らないけど僕に依頼をしに来たのだ。
そして、おそらくニュースを見て電話をしてきたのだろう。
「感謝される義理はないですよ。仕事をしただけですから」
『あの……』
その奥さんはなにか言いたそうな声をしている。
「どうしました?」
『夫は最期何か言ってましたか?』
よくある質問だった。大抵依頼した人はそう聞いてくる。
「ああ、確か…なんでこんなことするんですか?だった気がします」
嘘つく義理はない。赤の他人なのだから。
『そうですか……。全く反省してなかったんですね』
「そうですねー。まぁこれからは娘さんと2人で仲良く暮らしてくださいね」
僕に言えるのはこれだけだ。
『本当にありがとうございました』