そして、たまたまかもしれない。はたまた神のイタズラかもしれない。会ったこともない僕の実の父親はその隣で眠っていた。これは安藤さんが教えてくれた。
安藤さんがあの後、色々調べてくれて僕の父方の祖父母が遠くで暮らしているということを僕に教えてくれたから、先日初めて会いに行った。その時に眠っている場所を教えてくれた。
「お父さん……。お父さんと過ごした日々は覚えてないけど多分楽しかったと思う。」
だってお父さんのお母さんと1週間過ごして楽しかったから。お父さんのお母さん。とても優しい人だったよ。またま元気に暮らしてるし。
「それと…お父さん…僕、結婚するんだ。祝福してくれるかな……。こんな僕を愛してくれる人を見つけたんだ。」
顔も知らない父に向かってそう言った。確かに過ごしてきた日常はないけど、『お父さんはいつまでも僕のお父さんだから。』そう心の中で言っておいた。