そんなことを考えていると霞が昔話をし始めた。
「覚えてる？高校1年生の時のこと…」
正直、その時は復讐のことしか考えてなかったからそれ以外の情報は耳に入ってこなかった。
「ごめん…覚えてない……かも」
正直にそう答えると霞はくすくす笑ってからその時にあった出来事を説明してくれた。
「やっぱり…。あの時の理於…なんか別世界の人間だと思ってたからみんな近寄らなかったんだよ？事情を知った今ならわかるけど。その時ね、私思ったの。『私と同じ匂いがする』って。」
ゾワッとした。小泉明菜に言われた言葉と同じだったから。そんな僕のことな気にせず霞は話を続けた。
「私のお父さんは事件に巻き込まれて死んじゃったて、お母さんも仕事で忙しくて。だから、必然とひとりぼっちになることも多くて。君が一人暮らししてるって聞いた時から『私と同じ匂いがする』と思ってて。なんか勝手に親近感湧いちゃって何度か話しかけたんだけど素っ気なくて、でもそこが1人で生きてる人って感じでかっこよくて。憧れてた。でもいつの間にか『憧れ』は『好き』に変わってた。」