「さっきも言ったけど理於くんがやってきたことは確かに悪いことだけど、私はそうは思わないわ。これはね…霞から聞いた話なんだけど。理於くんは霞のことを守ってくれたでしょ?」
なんのことだ?僕が霞を守った?
「何の話ですか?」
「え?霞が言ってたわよ。クラスのみんなが変な噂に惑わされてるのを知った霞は何も言えなかったけど、理於くんはクラスのみんなに怒ってくれたって。」
その話を聞いて思い出した。確かにそんなこともあったな……。
「お母さん!?なんでいるの?」
そんな思い出に浸っていると霞がノックもなしに入ってきた。でもそこに羽柴はいなかった。
「ちょっと仕事でね……」
「そっか……。私いて大丈夫?」
「あ、うん。平気だよ。終わったところだから」
部屋に入ってくるなり霞は僕なお辞儀をした。
「どうしたの?」
「どうしたのって…お母さんが『理於くんがお父さんを殺した犯人を捕まえてくれた』って言ってたからお礼を言いたかったけど理於が目覚めたらそれどころじゃなくなちゃって…」