「…安藤さんは…それでいいんですか?」
安藤さんは正当防衛とはいえ人を殺したっていうレッテルがはられることになる。しかも同期の殺害だ。署内からどう思われるか分からない。いくら事情を説明したからって…。
「いいのよ。別に…私は。どう思われたって夫と娘にだけでも愛してくれれば。もちろん君もだけどね」
刑事っていう立場ではなく母親の立場で言った気がした。
「あの…小泉明菜ってあの後どうなりました?」
聞きたくはなかったがどうなっているか気になってしまった。
「小泉明菜なら……少年院に行ったわよ。」
少しだけ言いずらそうにそう言った。
「そう……ですか」
「取調室でも同じことを言っていたそうよ…あの子」
「同じこと?」
「ええ。『私は殺してない。アートを作ってただけ』って。しかも不気味な笑みを浮かべながら」
「そう…なんですね…」
僕はそれしか言えなかった。
「…安藤さん…。僕はあなたが思ってるより悪い事してますよ」
唐突ではあるがどうしても言いたかった。安藤さんの中で『僕』という存在がどういうものなのか確認したかったから。
安藤さんは正当防衛とはいえ人を殺したっていうレッテルがはられることになる。しかも同期の殺害だ。署内からどう思われるか分からない。いくら事情を説明したからって…。
「いいのよ。別に…私は。どう思われたって夫と娘にだけでも愛してくれれば。もちろん君もだけどね」
刑事っていう立場ではなく母親の立場で言った気がした。
「あの…小泉明菜ってあの後どうなりました?」
聞きたくはなかったがどうなっているか気になってしまった。
「小泉明菜なら……少年院に行ったわよ。」
少しだけ言いずらそうにそう言った。
「そう……ですか」
「取調室でも同じことを言っていたそうよ…あの子」
「同じこと?」
「ええ。『私は殺してない。アートを作ってただけ』って。しかも不気味な笑みを浮かべながら」
「そう…なんですね…」
僕はそれしか言えなかった。
「…安藤さん…。僕はあなたが思ってるより悪い事してますよ」
唐突ではあるがどうしても言いたかった。安藤さんの中で『僕』という存在がどういうものなのか確認したかったから。