すると安藤さんは首を横に振った。
「あの時、君が小泉充人に銃を打たなかったら私の方が打っていたわ。私も同罪よ…」
安藤さんは優しい声で僕の手を握りながらそう言った。
「確かに…理於くんが今までやってきたことは悪いことだわ。やり方を間違えた。でも、私はあなたを捕まえることは出来ない。その件はなかったことにしてもらったから。というかなかったことにしたわ。私が…」
「え?…なかったこと?なんで……」
安藤さんは経緯を説明してくれた。
「小泉明菜のという少女が君に襲いかかった時、私はすぐに銃で彼女の足を打った。でも彼女は地面を這いつくばって君の所へ行き、体を切りつけたわ。その後すぐに彼女は力尽きて倒れてたしまって、私も警察に電話をかけた後倒れちゃって…。駆けつけた警察によって私たちは保護されて小泉明菜は警察に連行されて、小泉充人の方は即死だったそうよ。それを私が正当防衛で発砲したことにしたわ。だから君が捕まることはないの。」