「そう!中学の卒業アルバム!佐々木くんさぁ、小泉明菜のこと知りたがってたじゃん?だから何かをないかなって思って色々持ってきたんだ」
僕のためにわざわざ持ってきてくれたのか。
「あ、ありがとう。ちょっと見ていいかな」
「いいよ!というか君のために持ってきたって言ってるじゃん」
そう言って初めて会った日とは比べ物にならない位の明るい笑顔でアルバムを渡してきた。
「あ、そっか、わざわざありがとう」
ページを1ページずつめくっていくと3年4組の所に小泉明菜がいた。でも、これだけ見ると普通の女の子だった。それに、今思えば清隆とかいう僕を育てた男に似ている気がする、特に目元が。
「ちょっと見て欲しいのがある」
そう言って僕からアルバムを取り上げて最後の方のページまでペラペラし始めた。
「これだよ、この写真。」
そう言って指を指したのは体育祭の写真だった。
「これがどうかしたの?」
体育祭の写真を僕にみせてどうするんだ?そう思ったが、彼の指がさしていた場所はもっと細かいところだった。