なんだ…そんなことか…。
「それで理於くんはどうしたの?」
「理於はそのクラスメイトに怒ってくれて『別に気にせず来ていいからな』って言ってくれた」
「そっか…なら気にする必要ないんじゃない?いつも通り接してあげれば?」
今彼は私が現実を突きつけたせいでうつ状態になっているかもしれない。それを霞に任せるのはどうかと思うがそれしか思い浮かばなかった。
「そうだよね…今度ちゃんと話してみる」
霞は笑顔でそう言った。
そうこうしているうちに夫が眠っている場所のある駅に着いた。
その駅から歩いて15分ほどで着いた。
前回と同様に水桶と柄杓を受け取り水を汲んだ。今回は線香や花などは買わなかった。
「あれ?最近来たの?」
墓を見るなり霞がそう言った。
「あ、うん。ちょっと立ち寄った。だから花とかは買わなかった」
「そうだよね。前からずっとこの花好きだったもんね」
今度は私がこの前買ったアングレカムを見ながらそう言った。