「あ、そうだ。今度、休みが取れそうだからお父さんに逢いに行く?」
今日あってきたばかりだけど霞の方は会うのは1年ぶりくらいだろうと思い、聞いてみた。
「え!?行く!」
霞は私と出かけられるのが嬉しいのか、お父さんに会えるのが嬉しいのか分からないが元気な声でそう言った。

『7月25日』
この3日間、理於くんからの連絡はなかった。私も連絡することがなかったし、現実を突きつけてしまった自分を反省してあえて連絡をしなかった。
今頃、彼はどんなことを考えているのだろうか。そんなこと考えても意味が無いのに電車に揺られながらずっとそんなことを考えていた。
今日は夫の命日。だから、仕事を休ませてもらった。
前にも逢いに行ったが、夫には何度でも逢いたい。
「そういえば、理於くんとは最近どうなの?」
電車に揺られる中、暇だったので霞に話しかけた。
「ここ3日間学校に来てない…」
私のせいで来なくなったのかと思って心臓が少しバクバクしていた。
「理於くん…何かあったの?」
そう聞くと霞は首を縦に振ってから説明してくれた。
「理於が一人暮らししてるって聞いたから行ってみたくてこの前、無理を言って家に入れてもらったの。そしたらそれをクラスメイトに見られてて、理於が無理やり私を家に連れ込んだって噂が流れちゃって…」