「……戸籍全部…事項証明書?」
紙の1番上に書かれた文字をそう呟くと安藤さんがこの紙について説明をしてくれた。
「これは『本籍』と『戸籍の筆頭者の氏名』その戸籍に記載されている人全員の『氏名』『生年月日』『父母の氏名と続柄』とそれぞれの人に関する『出生事項』『婚姻事項』などの身分事項が記載されてるものでさっき私が区役所で貰ってきた。」
これまで探してきた人が僕の本当の父親じゃない?
「驚くべきことはそれだけじゃない。君の義理のお姉さんも血が繋がってなかった」
驚くべきことって言うからどんなことを言うのかと思ったが随分と当たり前のことを言い出した。
「え?それは当然ですよね」
するともう1枚似たような紙を取り出した。
「いや、君を育てた清隆という男が再婚した女性と血が繋がってなかった」
じゃあ僕が育ったあの家では全員血が繋がってなかったって言いたいのか?
「それで……なんでわざわざこんなことしたんですか…」
僕では到底理解できない問題だったから下を向きながら安藤さんにそう聞いた。
「勝手なことしてすまない。とりあえず、これを発行してもらった経緯を全て話すよ」
そう言われたので顔を上げて安藤さんの話を真剣に聞こうと思った。