マンションについて自分の家の階につくと安藤さんが僕の家の前で待っていた。
「すみません遅くなりました」
遅くなったのには理由がある。自転車をこの前壊してしまって歩いて学校に登校したのを完全に忘れていたから思いのほか時間がかかってしまった。
「私こそ早く来すぎてしまった。すまない。」
安藤さんがそういうのですぐに鍵を取り出し中に入れた。
「家の鍵ふたつあるの？」
これは隣の家の鍵だが、相変わらず鋭すぎて怖い。
「あ、はい。これはおばあちゃんの家の合鍵ですね」
そう誤魔化した。
「…そうなのね」
きちんと誤魔化せたみたいだ。
とりあえずこの前と同様に安藤さんを座らせて、お茶を準備して、テーブルに置いて、彼女の前に座った。
「それで…情報をって…」
早速本題に入りたかった。小泉明菜が俺にくれた「父が生きてる」という情報が正しいのか、そして義姉の無念を晴らすため。