「あ、うん。中学の卒業式の時1回だけ。なんか両親が随分前に亡くなってるからお兄さんしか来れなかったらしい」
両親が死んでる?どういうことだ?じゃあ小泉明菜がこの前僕の前で殺した人は誰なんだ?もう訳が分からない。
「本当に両親死んでるのか?」
「俺も母親から聞いたから本当かどうか分からないけど多分本当だと思う。」
あ、そういえば僕の前で殺した人を小泉明菜は『私のことを育ててくれた人』と言っていた。父親ではないということか?それなら辻褄は合う。
「そっか…ありがとう。そろそろ帰ろうか」
時間も時間だし、僕の場合これから約束があるので帰ることにした。
「じゃあ、またね。気をつけてね」
校門で別れる時に羽柴にそう言われた。気をつけろってそっちの方が危険なんだけどな。小泉明菜の情報を僕に流しまくってるから。