「どういたしまして」
そのあとは何事もなく放課後を迎えた。
「…昨日はごめん」
家に帰ろうとした時、「ちょっと話がある｣と言われ教室に残された。
「いや、いいよ。羽柴くんのせいじゃないし」
僕達以外誰もいないこの教室で昨日あった出来事を話された。
「昨日、普通に隣町を散歩してたんだ。誰もいない道を通ってたら後ろからいきなり脅されたんだ。小泉明菜のやつ…血の着いたのこぎりを持ってて…『今すぐ佐々木をここに呼べ』って言われて…。本当は学校に来たくなかったんだけど佐々木くんに謝らなきゃって思って…」
羽柴なりに勇気を出したって訳か…。まぁとにかく羽柴が無事なら良かった。
「本当にごめん」
羽柴は深々と頭を下げた。
「平気。何もされなかったから」
むしろいい情報を教えてもらったので遠回りしだが羽柴にも感謝してる。
「一つ聞きてもいいかな」
頭をあげると羽柴は僕に向かってそう言った。