「変な噂流してんじゃねーよ。くだらね｣
教室がシーンと時が止まったような時間が数分続いた後、教室に担任の先生が入ってきた。
「あれ？みんなどうしたの？」
当然な疑問だった。でも、そんな空気は担任の先生によって壊され、その後すぐにチャイムがなった。
「ごめんね。私のせいで変な噂流されて…」
ホームルームが始まってすぐに霞が僕にそう言った。
「なんで謝る？気にせず家に来ていいからな」
霞の母親である安藤さんのためにも自分のためにもそう言った。
それに自分に降り掛かってきた火の粉を薙ぎ払っただけだ。
「うん。ありがとう」
いつもの霞に戻った気がした。あの状態のままだと安藤さんから情報が聞き出せないと思った。霞を騙してしまう形にはなったが霞にも仕事がある。
安藤さんはさすがに条件付きでも僕に情報はおそらく半分くらいしかくれないと思う。そして僕にくれた情報が正しい情報かどうかの確認を霞にやらせてるという訳だ。