「……羽柴になにかしたのか」
銃口を小泉明菜に向けながら問いかけた。
そしたら小泉明菜は少し笑ってから、
「普通に家に帰ったよ?そもそも君を呼ぶために羽柴に電話させたんだし。用が済んだから家に帰らせたよ。殺しても良かったんだけどそれはまだ先かな?」
訳の分からないことを言っていた。
「だったらなんでここに僕を呼び出した」
銃口はまだ小泉明菜に向けたままだ。相手はのこぎりを持っているのだからこっちに分がある。
「だって君、刑事を自分の部屋に連れ込んでたり、学校にいても安藤さんとずっと一緒にいるからこうでもしないとお話できないでしょ?」
確かにそうだが…。
「それで、その話ってなんだ」
こんな恐ろしい場所からすぐに去りたかった。なんせ今僕たちがいるのはこいつが起こした悲惨な事件の現場なのだから。
「一つだけいいこと教えてあげる」
ニコニコしながら僕にそう言った。
「いいこと?」
「うん!君が探しているお父さんって人はどこかにいるよ。場所は教えないけど。」
状況が追いつかなかった。父は生きてる?父は僕を放ったらかしにしてのうのうと生きてたんだ。まだ暗殺の仕事をしているのだろうか…。いや、その前に、
「なんでお前がそれを知ってるんだ」