それからは理由は説明できないからとりあえず━━が直接殺した訳ではなく殺した人が別にいること、その人を監視するつもりで生活がして欲しい。使うことの出来る証拠が欲しかった。
安藤さんが僕の話を信じてくれるかは分かりきっていた。なんせその事件を解決するための情報が僕しか持ってないのだから。
それらを伝えたところで僕の携帯電話が音を立てた。
画面を見ると羽柴からだった。こいつとはこの前家に行った時に念の為連絡先を交換した。
「あ、すみません。友達からなんでちょっと外でますね」
それだけ伝えて外へ出た。
「もしもし、どうかした?」
すると電話の向こうの羽柴はとても慌てていた。
『やばいやばいやばいやばいやばい』
「少し落ち着け!何があった?」
やばい。と言われただけではさすがの僕でも状況を掴めない。
「いたんだよ…小泉明菜が…」
「いたって…それがどうしたんだ?」
小泉明菜がいるくらい普通の話だ。だが、今日小泉明菜は学校を休んでいる。おかしな点と言えばそれくらいだ。
「違う…俺今1人で隣町を散歩してたんだよ…そしたら片手にのこぎりを持った小泉明菜が森の中に入って行ったんだ…」
あいつ、また人を殺めるつもりか?とりあえず羽柴にそこを離れるように伝える。さすがに僕と関わっている人の中から死人を出したくない。
「離れろ。急いでその町から出ろ。今からそっちに行くから絶対近づくなよ」