「さっきも言いましたが、これはあくまで僕の憶測です。それと言い忘れてましたが、安藤さんの夫…安藤敦也さんを殺したのは━━ではありません。あくまで間接的に殺したってことです」
間接的?彼の言っている意味がまるで理解できなかった。彼は私が理解ができていないのをわかっていながら話を続けた。
「とりあえず、その━━とはいつも通り過ごしてください。何も怪しまれないように。」
彼から忠告を受けたところで理於くんの携帯電話が音を立てた。
「あ、すみません。友達からなんでちょっと外でますね」
そう言って彼は私に気を遣って外へ出ていった。
数分してから戻ってきて再び私の向かい側に腰を下ろした。
「…さっきの話の続きです。僕が言いたいのは殺したのは━━が直接殺した訳では無いけど殺しに近いことをしたんです」
さっきと同じようなことを別の言い方で言われただけだった。でも彼が何を言ってるのかやっぱり分からなかった。そんな私の様子を見て彼は分かりやすく言ってくれた。
「とりあえずその━━を監視するつもりでいてください」