充と晩飯を食べ終わると、署に戻り今までの未解決事件で今回の事件と同じような事件を片っ端から漁っていた。なるべく同一犯の可能性が高いやつを。
探し始めて2時間くらいが経った頃に私の携帯に知らない番号から電話が来た。
「ごめん…電話が来たからちょっと出てくる」
充にそれだけ伝えて部屋から出てすぐ近くの誰もいない部屋に入った。
「はい、もしもし」
向こうから聞こえた声は佐々木理於くんだった。
『あ、佐々木理於です。夜分にごめんなさい。少し話したいことがあって…』
私に話したいことか…やっと事件について私たちに話してくれる気になったのかと思った。
「あ、なにか思い出したことがあるのか?」
すると彼は向こうで首を横に振った気がした。
『あ、いえ。少し頼みたいことがありまして…』
頼みたいこと?私に?
「頼みたいこと?」
次に佐々木理於くんから言われた言葉は身内か同僚しか知りえない事だった。
『はい。条件というか…。まぁ単刀直入に言います。あなたの夫は誰かに殺されてますよね』