『7月15日』
今、私はとある森の中にいる。署から車で1時間ほどの場所だ。理由は今回の事件がそこで起こっていたからだ。最近、森での事件が多い気がする。おそらく殺害したのは前回と同じ人だろう。ニュースでは自殺と言っていたが、私は違うと思っている。もちろん刑事のカンだ。
そしてこの森は普通ならそこは静かな場所だが鑑識が出すカメラのフラッシュの音や刑事たちの喋り声などがしていた。
「安藤さん!遺体を見るのはちょっと待ってください!」
今回の事件を担当することになった私は遺体の確認をしなければならない。だからブルーシートに包まれている遺体を確認しようとしたが後輩の齋藤に止められた。
「どうした?前回とは違うのか?」
前回の事件は森で頭を銃で撃ち抜かれた死体だった。
後輩の齋藤は顔色が酷く悪く、なにか少し言いずらそうな顔をしていた。
「……酷いってレベルじゃないですよ……今回のは」
止められようが見なきゃ何も始まらない。
「平気だ。私が今までどれほどの遺体を見てきたと思ってる。きちんと被害者達のためにも確認せねばならんよ」