カラオケルームに入ると、恥ずかしがりながらみんな曲を入れ始め、
料理とドリンクバーが揃い乾杯をすると、どんどん盛り上がっていった。
歌と話し声の騒がしさの中、
私はそっと匡の方を見る。
ミラーボールに金髪が照らされてすぐに見つけられる。
楽しそうに笑っている匡の隣には女子が座っていた。
「れ、麗香ぁ~」
「何?」
「私…ムラムラしてるかも…」
「は?何言ってんのよ」
「だって匡がかっこよくて、ずっと見てたいんだけどなんか恥ずかしくて、目が合うともっと恥ずかしくなる…」
「付き合ってるくせに何言ってんのよ」
「え、都!とうとう谷くんと付き合い始めたの!?」
奈々ちゃんと春佳が私たちの会話を聞いて話に混ざる。
2人には言いたい…!
「うん…今日から…」
「えぇ~!」
「きゃーー!!やった!!」
2人は純粋に喜んでくれた。
「だったら隣に座りに行こうよ!」
「でも…」
渋る私を見て、麗香たちが匡の姿を探すと「なるほどね」とつぶやいた。
「あんまり余裕見せてると、他の女の子にとられちゃうよ~」
「っ!!それは!!」
私の不安通りになっちゃう…!
「なら行きなって!」
「で、でも~」
そんな押し問答をしていると、
歌声が止まりガヤガヤというよりザワザワし始めた。



