最近、自分が生きているのを不思議に思う。


外に出て暑い暑い言いながら汗を垂れ流してても。
わざと自分の足に地面を踏みしめるように歩かせても。
母親の飯を口に運ぶ右手を見ても。


あれ、これほんとに自分がしてる行動なんだよな、って考えてしまう。


暑い。ミーンミンミンミン。ベトベト。しょっぱい。

かかと、アーチ、母指球、指先。ぎゅ、ぎゅ、地面からの跳ね返り。ピーン、筋肉のハリ。

人差し指と親指と中指にささやかな重量のあるもの。漆の光沢。甘い。おいしい。


うん、全部感じる。
ちゃんと私の神経細胞は働いている。私に私を取り囲む物を伝え、私はそれらを主体として反応し、感じている。


しかしそれでも思ってしまう。


本当に私は、私という存在は生きているのか。