そのままヘタリと、座り込んだ彼は。





ポロポロと、涙を溢した。


それは、まるで、昔の彼のように。





「なんでだよ…、なんで、お前らは…僕がいないのに…楽しそうなんだ…っ、なんで!!!!!僕を誘ってくれないんだよ!!!!!」


まるで、心が決壊したかのような、それは魂の叫びだった。

 







「馬鹿だなぁ…お前。少しは成長したかと思えば、全然変わってなかったんだな。…もっと、側で見ていればよかったな」


井上の、思わずと言った言葉に、私はおおきく、頷いた。

「本当だ。わたしたちが馬鹿だった。こっちこそ、もうわたしたちはお前には必要ないと思っていたんだ…」

腰に手を当てて、当時に思いを馳せる。


幼い頃は、何をするにもわたしの後をついてきていた、天上を思い出した。

左手首に嵌め込んだ、思い出の欠片、赤いリストバンドをした手を彼へ差し出す。


「一緒に、ドッジボールをしよう」


差し出された手を見て、彼は当時の笑顔で笑った。