放課後なんて退屈な時間でしかなかった。
君と出会うまでは。



帰りのSHRが終わり、僕はため息をつく。
中学生の時は帰宅部で、高校では「何か部活に入らなければ」と思い入部した美術部。
でも自分にはそこまでの才能も無くて、絵は上達しないばかりだった。
いつしか僕は部活に顔を出すのが嫌になっていた。
そうとは言っても、いつしか僕の足は美術室に向かっている。
放課後美術室に行くのがルーティンになってしまったからだろうか。
美術室に着くと「失礼しまーす」と言いながら入室する。といっても誰もいないのだが。
さて、今日はどんな絵を描こうかと重い足取りで水彩絵の具を取りにいく。