「咲たちが残酷様の儀式をしてあたしにナイフを突き刺したとき、なにかがあたしの中に入ってくる感覚があったの。それはとても巨大な力を持っていて、人間じゃないってわかった。きっとそれが、残酷様だよ」
「え?」
「残酷様が入り込んだことによって、あたしは死なずにここにとどまっていることができているの。だかど、自分が表に出てくることはほとんどできない。1日1回、それも5分くらいが限度なんだと思う」
早口に説明する美緒にあたしの頭は混乱していく。
もう少しゆっくり話をしてほしいと思ったが、美緒に時間がないことだけはわかったから、黙っていた。
「美緒は家に帰れるんだよね?」
その質問に美緒は左右に首を振った。
とても悲しげな表情で。
「ごめん。あたしはもう人間じゃないから」
そう言う美緒の体からは、やはり腐敗臭が漂ってきている。
これで家に帰るのは不可能だと理解できた。
「だけど、ナナのおかげであたしはあいつらに復讐ができるようになった」
「復讐?」
「そう。ナナはあたしに……絶対様に願ってくれたよね? 幸せになりたいって」
あたしはうなづく。
確かに、あたしは絶対様へ向けてそう願いをこめた。
「え?」
「残酷様が入り込んだことによって、あたしは死なずにここにとどまっていることができているの。だかど、自分が表に出てくることはほとんどできない。1日1回、それも5分くらいが限度なんだと思う」
早口に説明する美緒にあたしの頭は混乱していく。
もう少しゆっくり話をしてほしいと思ったが、美緒に時間がないことだけはわかったから、黙っていた。
「美緒は家に帰れるんだよね?」
その質問に美緒は左右に首を振った。
とても悲しげな表情で。
「ごめん。あたしはもう人間じゃないから」
そう言う美緒の体からは、やはり腐敗臭が漂ってきている。
これで家に帰るのは不可能だと理解できた。
「だけど、ナナのおかげであたしはあいつらに復讐ができるようになった」
「復讐?」
「そう。ナナはあたしに……絶対様に願ってくれたよね? 幸せになりたいって」
あたしはうなづく。
確かに、あたしは絶対様へ向けてそう願いをこめた。