あたし以外のクラスメートたちも2人のことを気にしてチラチラと様子を伺っているのだわかった。


「悪いけど、俺たち別れよう」


突然そんなことを言われて、咲はその場で硬直してしまっている。


あたしも驚いて大崎くんを見つめた。


「な、なにその冗談? 笑えないんだけど」


咲は無理矢理笑みを作っているから、口元がひどく引きつっている。


「冗談なんかじゃない。本気だ」


「そんな……」


「どうして彼女と別れて山家さんに告白したのか、よくわからない」


大崎くんの言葉にあたしは目を見開いた。


まさか絶対様の効果がなくなったんだろうか?


でも、どうして?


疑問を感じている間に大崎くんは席を立ち、教室を出て行ってしまった。


「ねぇ、ちょっと待ってよ!」


咲が必死で呼び止めるが、その声は大崎くんに届かなかったのだった。