「いらない」


大崎くんが冷たくそう言って咲にお弁当をつき返したのだ。


それを横目で見ていたあたしは不思議に感じて視線を向けた。


大崎くんは不機嫌そうな表情で咲を睨みつけている。


「どうしたの? なにかあった?」


「別になにもないよ」


心配している咲の言葉にもあまり耳を貸していない様子だ。


今日は虫の居所でも悪いんだろうか?


それにしても、あれだけ電撃的な告白をしてまだ数日しか経過していないのに、どういうことだろう?