「ちょっと、黙っててくれる?」


咲がそう言った瞬間、あたしは横倒しに倒れこんでいた。


遅れて右頬に痛みが走る。


咲に殴られたのだとわかった瞬間、西日が雲に隠れて室内が薄暗くなった。


朝ら続いていて快晴はどうやらここでおしまいのようだ。


ショックで立ち上がることができない内に更に2度3度をわき腹を踏みつけられて、うめき声を上げた。


その間に真里菜があたしのバッグを取り上げ、光が美緒のバッグを取り上げていた。


これで誰にも連絡が取れなくなってしまった。


痛みで視界がかすむ中、咲が木の棒を握り締めるのがわかった。


それもあらかじめ準備していたもののようだ。


そして、美緒へ向けて振り下ろしたのだ。


バキッ! と大きな音が響き渡り、美緒の頭が大きく揺れた。


少し遅れてその額にダラリと血が流れ出す。


「美……緒っ!」


必死に体を起こそうとするが、真里菜があたしの上にのしかかってきて身動きが取れない。


「絶対様におなりください」


咲はそう言ったかと思うと、再び美緒の頭部に木片を振り下ろした。


あたしは小さく悲鳴を上げて顔をそむける。