☆☆☆
せっかく逃げることができると思っていたのに、大失敗だ。
まさか外で3人と鉢合わせするなんて思わなかった。
こんなことになるなら、最初から電車に乗って移動していればよかったんだ。
今朝の自分の行動が悔やまれる。
あたしは今3人と一緒にファストフード店に来ていた。
4人席で、あたしの右側は壁。
左側は真里菜。
前は咲で、その隣に光が座っている。
はたから見れば仲良し4人組に見えるかもしれないが、あたしにとってはかごの中の鳥だった。
ここから脱出することはほぼ不可能だ。
スマホを取り出して時間を確認するだけで、横にいる真里菜がチェックしてくる。
あたしが誰かに連絡しないか、見張っているのだ。
居心地が悪くて、運ばれてきたケーキに手を伸ばすこともできずにうつむくしかない。
その間、隣の真里菜はパスタを食べていた。
昼にはまだ早いけれど、朝ご飯もろくに食べていないのか、夢中になってがっついている。
「ナナ、ケーキは食べないの?」
コーヒーを飲んでいた咲にそう言われて、あたしは左右に首を振った。
とてもじゃないけれど喉を通らない。
食欲だってなかった。
せっかく逃げることができると思っていたのに、大失敗だ。
まさか外で3人と鉢合わせするなんて思わなかった。
こんなことになるなら、最初から電車に乗って移動していればよかったんだ。
今朝の自分の行動が悔やまれる。
あたしは今3人と一緒にファストフード店に来ていた。
4人席で、あたしの右側は壁。
左側は真里菜。
前は咲で、その隣に光が座っている。
はたから見れば仲良し4人組に見えるかもしれないが、あたしにとってはかごの中の鳥だった。
ここから脱出することはほぼ不可能だ。
スマホを取り出して時間を確認するだけで、横にいる真里菜がチェックしてくる。
あたしが誰かに連絡しないか、見張っているのだ。
居心地が悪くて、運ばれてきたケーキに手を伸ばすこともできずにうつむくしかない。
その間、隣の真里菜はパスタを食べていた。
昼にはまだ早いけれど、朝ご飯もろくに食べていないのか、夢中になってがっついている。
「ナナ、ケーキは食べないの?」
コーヒーを飲んでいた咲にそう言われて、あたしは左右に首を振った。
とてもじゃないけれど喉を通らない。
食欲だってなかった。