「それでね、その都市伝説のサイトに書かれていたのはね」


学校へ向かっている途中、どこからかそんな声が聞こえてきてあたしは足を止めた。


しかし、沢山いる学生の中で誰が会話しているのかわからない。


「ナナちゃんどうしたの?」


一緒に登校していた子が、突然立ち止まったあたしに不思議そうな顔で聞いてくる。


「ううん、なんでもない」


きっと気のせいだ。


そう思って再び歩き出したときだった。


「絶対様」


その単語が聞こえてきてあたしは勢いよく振り向いた。


今聞こえたのは聞き間違いなんかじゃない。


間違いなく、聞こえてきた。


「ナナちゃん?」


友人の呼びかけも聞こえてこなかった。


あたしは必死に声の主を探す。


しかしそこには沢山の学生たちで溢れていて、誰の言葉がわからなかったのだった……。



END