ここに水が売ってあってよかった。
ペットボトルの水を購入したあたしはすぐに美緒の前まで戻ってきた。
灰色の目はうつろで、どこも見ていない。
「見てて。絶対様に水をあげると、美緒が出てきてくれるから」
咲へ向けてそう言い、あたしはなれた手つきで美緒に水を飲ませた。
ゴクリと水を飲む音に咲が悲鳴を上げる。
途端に美緒の濁った目に光が戻り、焦点が合うのがわかるのだ。
「嘘、なにこれ」
咲は混乱してこの場から逃げ出そうとする。
しかし足首の骨折と、腰が抜けていることで、動くことすらままならない。
そんな咲に美緒がゆっくりと近づいて行った。
「久しぶりだね、咲」
美緒に顔を近づけられて、咲の目に涙が浮かんだ。
「み、美緒、あんた……」
「あたしは絶対様にさせられた。無理矢理呼び出されて、リンチされて、殺された」
美緒は低く、うなるような声を出す。
「ち、違うの。そんなつもりじゃなかったの」
咲はブンブンと左右に首をふるけれど、5時間もかけてリンチしたことは事実だ。
なにを言っても言い訳にもならない。
「あたしはナナからの願いを叶えるために、お前らを殺す。お前らが消えれば、ナナは幸せになれるから」
「美緒……」
思わず、小さく呟いた。
ペットボトルの水を購入したあたしはすぐに美緒の前まで戻ってきた。
灰色の目はうつろで、どこも見ていない。
「見てて。絶対様に水をあげると、美緒が出てきてくれるから」
咲へ向けてそう言い、あたしはなれた手つきで美緒に水を飲ませた。
ゴクリと水を飲む音に咲が悲鳴を上げる。
途端に美緒の濁った目に光が戻り、焦点が合うのがわかるのだ。
「嘘、なにこれ」
咲は混乱してこの場から逃げ出そうとする。
しかし足首の骨折と、腰が抜けていることで、動くことすらままならない。
そんな咲に美緒がゆっくりと近づいて行った。
「久しぶりだね、咲」
美緒に顔を近づけられて、咲の目に涙が浮かんだ。
「み、美緒、あんた……」
「あたしは絶対様にさせられた。無理矢理呼び出されて、リンチされて、殺された」
美緒は低く、うなるような声を出す。
「ち、違うの。そんなつもりじゃなかったの」
咲はブンブンと左右に首をふるけれど、5時間もかけてリンチしたことは事実だ。
なにを言っても言い訳にもならない。
「あたしはナナからの願いを叶えるために、お前らを殺す。お前らが消えれば、ナナは幸せになれるから」
「美緒……」
思わず、小さく呟いた。